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おととい12月14日は、赤穂浪士の討ち入りの日。 毎年、忠臣蔵関連のテレビドラマや映画がこの時期に流れますが、創作部分もあるとはいえ、義理と人情に関わる、感動的な内容です。 この「忠臣蔵」の結末は、四十七士の切腹ですが、この判決には、かなりの議論があったと言われています。 時の将軍徳川綱吉は、文治主義者で、討ち入りなどという戦国時代の気風には否定的な考えをもっていました。御用学者たちも、「江戸城下での集団殺人事件として厳罰(打ち首)を」と言いました。しかし、一部の学者の意見は、「幕府への武士の忠義心が衰えつつある今日、主君の遺恨を晴らした忠義の志士として寛大な処置を示すべき」という考えで、さらに、世論はもちろん、「志士たちを優遇すべきだ」という意見が圧倒的多数でした。 結局は、荻生徂徠の意見を採用し、「忠義心に免じて、切腹」という判決に落着いたのです。これは、忠義の志士たちを生かすことは、その後の人生で名誉を汚さないとも限らず、そのことへの配慮もあって、死なすことが名誉を保つことでもある、という考えもあります。 つまり、情けの心(思いやり)である「仁」と、ルールを重視し秩序を守るという「義」のバランスをとった名判決なのです。徳川綱吉は、「生類憐みの令」という何かと問題視される政策もありましたが、やはり優れたリーダーシップを持った将軍だと言えます。 リーダーシップ論が花盛りの、今日のビジネス界ですが、究極のリーダーシップ論は「論語」でしょう。孔子は、「仁義礼智」を君子に最も必要な徳目としていました。また、孔子の思想を引き継いだ孟子は、そのなかでも特に「仁」と「義」が大切だ、と言っています。 「仁」とは、思いやりの心です。相手の立場に立って考えられる姿勢をこころがけることです。「義」とは、筋道を通すことです。ルールを守り、規律を乱さないようにすることです。 つまり、思いやりをもって接することが大切ですが、ルールは乱さない、というバランスです。 これが、組織のリーダーとして、最もこころがけたいことなのです。 ちなみに、「仁義なき戦い」とは、情け容赦ないうえに、ルール無用の戦い、という意味です。 先日、安部新政権は、タウンミーティングにおいて、やらせ発言を依頼して国民の意見を誘導させていた官僚を処罰することを発表しました。内容は全て訓告と戒告という最も小さな処罰でした。しかし、タウンミーティングは国民の意見を伺うという大義名分のもとに行われるもので、それをカネを使って「やらせ発言」させるということは、国民の声をないがしろにする行政や政治の根本的な問題と言えます。ですから、国民の声を重視することを徹底させるためにも、厳罰すべきでした。 つまり、今回の処罰は、官僚に対する「仁」に傾き、「義」を欠いたものであると考えられます。支持率低迷化傾向にある安部政権ですが、徳川綱吉に比べてリーダーシップに問題あり、なのかもしれません。 「あら楽し 思いは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし」 大石内蔵助の辞世の句です。 大石内蔵助が討ち入りをしたのは、単に主君のあだ討ちだけではなく、喧嘩両成敗の原則を乱して吉良上野介を温情ある無罪とした幕府の決定に対して、「それはルール違反だ」ということを示したかったから、とも言われています。「義」を欠いた政治的な決定には、下々からの大きなしっぺ返しがあるものなのです。 |
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堀部安兵衛 2007/01/05 20:52 |
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