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尊敬したくなる歴史上の人物(第1回目:安藤輝三)
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作成日時 : 2005/07/18 02:35
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あまり知られていなかったり、知られていても、正しく評価されていないことから、多くの人が、誤解している人物を取り上げて、改めてその尊敬したくなる人物像を解説します。
今回は、安藤輝三。
安藤輝三は、青年将校による昭和11年のクーデター事件である、2.26事件の首謀者のひとりとして処刑されました。
(1)安藤ら青年将校がクーデターを起こした理由は以下のとおりです。
@貧富の差が広がる社会情勢(農村部の貧困)への危惧
A財閥が富をむさぼり、政治家や軍部幹部がそれと癒着している
B政党政治家は、勢力争いに終始しており、国民生活が省みられていない
C軍部の縮小や機能限定化への反発
当時の軍隊に応募してくる若者は比較的貧しい東北地方の出身者多かったのですが、東北地方は度々飢饉に見舞われて、安藤は、そんな部下の家族などが貧しい生活に苦しんでいることに、心を痛めたのでした。いっぽうでは、都市部において、財閥が飽食をむさぼり、その財閥と政治家が、癒着していることにも、憤りを感じていました。
軍部においても、統制派と言われる、軍縮や軍隊の機能を限定していこうとする勢力に対して反発する気持ちをもっていました。統制派の軍人達の財閥との関係についても憂慮しており、これらのことから、強く、改革の必要性を感じていたのです。
(2)安藤ら青年将校が目指した目的
貧しい人が救われるような、清廉な軍人による国家建設がクーデターの目的でした。しかし、手段は、現役の総理大臣や国務大臣などを、軍事力によって殺害することだったので、天皇陛下の怒りを買い、クーデター軍は4日間で降伏することとなり、失敗に終わりました。
また、彼らが、清廉な軍人として政権を担ってほしいと思っていた軍部幹部は、軍部内での権力争いに彼らを利用しようとしただけ、だったようです。
(3)このクーデターの影響
このクーデターが鎮圧されて、彼らに同情的だった勢力が、一気に駆逐されました。
また、軍部が政治に圧力をかけるようになってしまいました。つまり、「そんなことすると、また、クーデターがおきるぞ」という脅しです。これが、太平洋戦争へとつながっていきます。
(4)安藤輝三の人柄
安藤は、このクーデターに対して、仲間の中で一番最後まで反対でした。しかし、いったん決起すると、鎮圧軍に対しても、引き下がらず、他の将校が降伏を主張しても、最後まで、徹底抗戦を主張しました。
また、鈴木貫太郎侍従長を殺害しようとしながら、とどめをささず、敬礼をしてその場を去った態度が軍人らしいとして評価されています。鈴木貫太郎は九死に一生を得て、後に、太平洋戦争終結時の総理大臣となりました。
決起にあたっても、安藤の部隊だけは、兵士召集時に決起の趣旨を説明して、上官命令で無理やり参加させることを最小限にとどめました。
非常に、部下思いで、社会の弱者に対する暖かいまなざしを持つ軍人であったがために、こうしたクーデターを起こしてしまったとも言えます。しかし、その行為はまったく弁解のしようがないものでもあります。
いつの時代も、純粋で一途な青年が、社会のなかで、間違った行動に走ってしまうことがあり、それによって、将来有為の人材が失われる、ということがあるのです。
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